だいぶ指の腫れが引いてきた

あのとき彼が少し真面目な顔をしたのは、「今日はちょっと疲れちゃった」に相当する英文を一生懸命考えていたからかもしれない。でも「ありがとう」だけで済まさないでくれたのがとてもありがたかった。

キャビネットの目立たないところにポストカードを貼り、手ぬぐいは椅子の背もたれにかけてその上から常備のカーディガンを羽織らせておく。誰かが私の机に訪ねてきて私がそちらを見るときは必ずキャビネットのその部分が視界に入るようになって、自然と良い顔で応対できる仕組みになった。
何人かの同僚と感動を分かち合ったけれど、指が腫れた件は誰にも言ってない。