備忘録@つくば

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たとえ冗談であろうと言っちゃぁいけないこと 完結編

たとえ冗談であろうと言っちゃぁいけないことを言う人の送別会のため、就業時間後東京へ行く(大多数の参加者の帰宅先が東京寄りのため)。
彼の職業選択の基準には学ぶべきところが多々あったから、そこは認めているけれど、常識を外れた言葉遣いは決して認めるつもりはない。しかも彼は転職先の会社で部下を持つらしい。きっと、自分の部下を叱ることもあるだろう。そんなときに、簡単にそういうことを口にしないでほしい。人として、たとえ同僚だろうと部下だろうと、そのような語彙の選択はしないでほしい。
しかしながら今日は静かにしておこうと思いつつも、やっぱり一言言っておかないと後悔するかもなあと考えていたら、同行していた同僚に、「本人が売ってるつもりもない喧嘩を勝手に買うつもりで言ったらそれこそ後悔するだろうけど、彼のためを思うのなら、自分にとってのけじめとして思い切って言ってみたら?」とアドバイスを受けて、吹っ切れた。
すでに会が始まっていたお店には、幸いなことに私のOJTの教え子もいて、気持ちが一気に楽になった。教え子には、基本の仕事だけでなく、お行儀も常に指導していた。そのときのことを思い出しながら言ってのけようと思った。
「そこ、肘ついてものを食べない!」に始まり、私が低レベルな躾を再び教え子や他の若者たちに施している最中にも、たとえ冗談であろうと言っちゃぁいけないことばは三度ほど発せられた。最初と二度目はタイミングが合わなかったものの、三度目、私の躾の勢いとビールの勢いとがシンクロした。
「そこ、冗談でも簡単に『氏ねばいいのに』って言わない!」。
彼は不意をつかれて本当にきょとんとした顔をしていた。
そこであまりにも周囲をどん引きさせてはいけないと思い、そのままジョッキを片手に笑顔で言った。
「それよりも世の中にはもっと辛いことがありますよ。例えば、大腿骨の骨折で3ヶ月入院とか(私の実体験だけど)」。ああ、結局勝手に喧嘩を買ってしまった格好だ。
とりあえず、彼は「わかりました」とその場で頭を下げた。その後、最終出勤日の翌日まで、たとえ冗談であろうと言っちゃぁいけないことを口にすることはなかった。私もけじめがついたので、それ以上のことは何も言わず、みんなと共に彼を送り出した。
それほど親しくないにもかかわらず、人のことを放っておけないというのも良し悪しだなあ。でも性格だしなあ。ともかく今回のできごとは、いろいろな事象に対して折り合いをつけるよい練習になった。