備忘録@つくば

街のこと/見たもの/音楽のこと

L'Arlésienne

えんじにあ氏が演奏で出演する『アルルの女』の舞台を観に行く。
初めて入るインターナショナルスクール。しかもフランス人向けの。
受付のお姉さんは辛うじて英語が通じ、ドアマンのおじさんは日本語ぺらぺらだった。そして至るところで飛び交うフランス語。日本にいながら異世界。

以前火星人と組曲のうちの何曲かを連弾したことがあり、また原作で予習済みだったので、あらすじは知っていたのだけど、やっぱりこれを観てから弾くべきだったと強く思った。
アルルの女に惚れ込むも、彼女がある馬飼いの愛人だとわかり家族に猛反対され、結局幼馴染と婚約したけれど、どうしても彼女のことが忘れられない主人公。ミサを終えて帰ってくる楽しそうな一族郎党の列の最後に、幸せいっぱいの幼馴染と腕を組みながら、切ない顔をして現れる。『鐘』の短調の中間部が彼のこんな複雑な心情を表していたとは。
初めて観る原語での生の舞台に思うさま感情移入していた。ええ私も頭の中ファランドール状態でしたよ。

主人公の弟には最初から最後まで目が離せなかった。最初は“おばかさん”という名前でみんなから呼ばれるほどのInnocentな演技、その後、日を経るごとにだんだん知恵がついてきて、最後には全てを理解するという役どころ。「おっかさん、僕は“ばか”じゃなくて、ジャネって名前があるんだよ」…これにはぐっときた。終演後即後をつけ回して写真を撮らせていただいた。英語で話しかけたら日本語がめちゃくちゃおできになる方だった。
えんじにあ氏の知り合いということで楽屋のところまで押しかけ、他の出演者さんとも写真を撮らせていただいた。みんな日本語でOK。幼馴染さんきれい過ぎる。羊飼いさん超然過ぎる。船頭さん(のちに船長さん)キュートすぎる。
指揮のマダムにも挨拶させていただいた。とても凛々しい方でした。ヴァイオリンもヴィオラもピアノもできるマルチな方だそうで。
帰り道も感動は収まらず、出るのはため息ばかり。祭りの後の脱力感というやつでしょうか。絶対また弾く。この前弾かなかったのも弾いてみたい。

そしてえんじにあ氏、いろいろとお疲れさまでした。これからも観に行きます。